2025.05.09

【ダンスコラム】リズムとテンポの違いを本気考察!

こんにちは!《DANCE COMPANY みやか組》の代表、ダンサーのみやかです😊
今回はダンスから切っても切り離せない関係である音楽的なお話です。

 

 

ある日、皆さんの習っているダンスの先生からこんなことを言われたとします。

 

①「○○(あなた)、君のダンスは皆とリズムが合ってないよ。」

 

ある日には、こう言われました。

 

②「○○、君のダンスは皆とテンポが合ってないよ。」

さぁ。この2つの言葉を聞いて、あなたはすぐアドバイスを自分のものにできるでしょうか。

 

 

 

 

…あれ?リズムってなんだっけ?テンポ???
何となくは分かってる“つもり”なんだけど、いざ口に出せと言われると…。

これ⬆️ではいけませんねぇ。

 

でも、大丈夫。筆者も初めはよく分かりませんでした。
今日はこの、ダンスにおける「リズムテンポの違い」について、筆者なりに考察し、分かりやすく解説いたします。
実はぜーんぜん難しい話ではございませんので、今日この記事を流し読みするだけで理解できます‼️🤭
明日からはDonなアドバイスでもDonと来い❤️‍🔥❤️‍🔥

 

 

 

さっそくですが、答えをお伝えします。

 

①リズム→音のパターン。様々なアクセントで構成されるもので、音楽やダンスに流れを作ります。

 

②テンポ→シンプル、音楽の速さのこと。

 

 

いや〜意外と簡単です。「リズム」という言葉は前回の記事の「グルーヴ」のように、多面性のある言葉といえます。音楽やダンスではない場面で使用することもありますしね。

(例)二人三脚したときに「私たちリズム合うね!」
夜ふかししたときに「昨日のせいで生活リズム狂ったわ〜」
ビジネスに関する計画、出来事を「リズム・オブ・ビジネス」という言葉で表したりもする

 

リズムは元々、ラテンのリズム、とかいうように音楽のジャンルの事を言う言葉だったそうです。
しかし、最近では良いリズム悪いリズムの様にその音楽に気持ちよく乗っていく要素、の様な意味が出てきているそうです。

ちなみに気持ちいい→これ聞き馴染みがある言葉ですね
そう、前回の記事で取りあげました。😌
前回の記事はコチラ

 

しかし、今回はダンスをするにあたって一番広く認識されている【リズム】の使い方をしたいので、音楽の中のアクセントのことだと思ってくださいませ。

 

つまり、ダンスの先生はこう言いたかったんです

 

①「○○(あなた)、君のダンスは皆とリズムが合ってないよ。」
⬇️

音楽のリズムに合わせて作られているダンスのパートが音に合っていない。
もっと簡単に言うと、音ハメの所ズレとんで

 

②「○○、君のダンスは皆とテンポが合ってないよ。」
⬇️
早取り、もしくは遅取りだからちゃんと音楽の速さを掴みなさい
(早取り&遅取りはダンス界でよく使われる言葉です。音楽のテンポを無視してダンスが音より早く、もしくは遅く踊ってしまうとこのような言われ方をします。)

 

 

いかがでしょうか?
筆者は自身の生徒たちにはこの話を必ずしますし、特にコンテストチームの指導のときには「今はテンポが合ってない」「1人だけリズムが違う」などこういった言葉を多用します。

 

もちろん、プロのダンサーの中でもこの辺りが曖昧な方は多いですし、リズムという言葉に全て包含してしまうケースもあります。

 

ただ、巷でよく聞く「私リズム感ないのよね〜」という言葉には
上記などの理由から「何を指して言ってんの?」と筆者的には反対です(笑)
そもそも、リズム感無いってトレーニングしてなかったら当たり前やろ‼️って思ってます。
確かに、生まれもって音感が優れている方はいらっしゃいます。でもダンスにおいては、何もしない人は天才でも、努力する凡才に必ず勝てないと筆者は考えます。
ダンスしてるのよねって誰かにいうと、高確率で「すごい〜!私リズム感ないから絶対できな〜い!」と言われますが、まずダンスしようよ。そして練習しろよ。みやか組にようこそ(!?)
って感じです。マジで。

 

 

いつもの事ながら脱線してきましたので、本筋に戻って、もう少し詳しくお話しすることにします。😑😑💦

 

 

例えば最近のめちゃくちゃ流行りの音楽

こっちのけんと/はいよろこんで

ご存知ですか?⬆️😋

 

 

この曲の中に
「トン」「トン」「トン」「ツー」「ツー」「ツー」「トン」「トン」「トン」

という一節がありますよね。
これはモールス信号のSOSを表してるそうですが、そういうことが言いたい訳ではなく。

 

メロディのなかに
「トン」「トン」「トン」「ツー」「ツー」「ツー」「トン」「トン」「トン」
というようにアクセントの音が入る。

 

この場合「トン」「トン」「トン(以下略)はこの曲の中で【リズム】です。

 

「トン」「トン」「トン」「ツー」「ツー」「ツー」「トン」「トン」「トン」「トン」「トン」「トン」「ツー」「ツー」「ツー」「トン」「トン」「トン」「トン」「トン」「トン」「ツー」「ツー」「ツー」「トン」「トン」「トン」

 

…ふぅ、書くのが疲れました。

 

こんな風に、このリズムが何回も繰り返されるとします。これがいわゆる「リズムパターン」です。まぁ、これに関しては単に「リズム」と表現されることもあります。
また、場合によってはビートと表現されることもあります。ビートはまた後ほど登場させましょう。

 

 

 

そして、【テンポ】は上記とは異なります。

 

皆様お手を拝借👏

ギリギリダンス ギリギリダンス 踊れ♩

 

この音楽のサビに合わせて手拍子をしてみてください。

👏👏👏👏👏👏👏👏

 

 

この手拍子が、1曲の中で何回叩けたか。
これが【テンポ】です。

同じ1分間でも、曲が早いと手拍子は多く、曲が遅いと手拍子は少なくすみますよね?
(よく分からない方は1回演歌でも聞いて手拍子してみてください⬇️🔗

津軽海峡・冬景色/石川さゆり

 

この【1分間で何回手拍子できたか】というのをBeats Per Minute(ビートパーミニット)といいまして、よく【BPM】と略して呼ばれます。

 

 

ダンスの先生から聞いた事がありませんか?
『この曲ちょっとBPM早いもんな〜』とか。

これを訳すと⬇️
『この曲ちょっと1分間の拍の数が多いもんな〜』ということです。なんだか分かりにくいですね(笑)テンポが早いってことですよ。

そう、
テンポとBPMは🟰(イコール)の関係です。同じです。

 

 

テンポ🟰BPM  \_(・ω・`)ココ大事

 

 

ただし、BPMは1分間の中でという制約付きって感じですね。これが分かるとだいぶスッキリ💩します。

 

 

先程取り上げた2つの音楽

・はいよろこんで
・津軽海峡冬景色

 

 

この2つのBPMを比べてみましょう。

調べたところ

 

はいよろこんで→【BPM 147】

(引用: Key & BPM for はいよろこんで (原曲歌手:こっちのけんと) by 歌っちゃ王 | Tunebat )

 

津軽海峡冬景色→【BPM 83】

(引用:ChordWiki 津軽海峡・冬景色 歌:石川さゆり作詞:阿久悠作曲:三木たかし)

とのことでした。

 

やっぱり早く聞こえる曲はBPMの数字が高く、遅く聞こえる曲はBPMの数字が低いですね。

 

ちなみに、どうしてこの2つの音楽を取り上げたかというと…

《はいよろこんでのBPM》はダンスでいうと、ワックとかロックとかを踊る曲の速さに近く

《津軽海峡冬景色のBPM》はダンスでいうと、ヒップホップを踊る曲の速さに近いため

です。

もちろん曲によりけりですが
大体

 


 

ソウルダンス→BPM70〜95ぐらい
ポップダンス(ブガルー系)→BPM90〜115ぐらい
ポップダンス(アニメーション系)→…測定不能
ロックダンス→BPM100〜120ぐらい
ワックダンス→BPM100〜130ぐらい
ブレイクダンス→BPM110〜130ぐらい
ハウスダンス→BPM120〜135ぐらい
ヒップホップダンス→BPM 60〜90ぐらい

 


 

 

これぐらいが踊りやすいのではないでしょうか。BPMが140を超えてくると、なかなか早いです😂でも踊れます。
BPM150を超える音楽は、もうバトルでは鳴らないレベルです。シカゴフットワークというダンスのジャンルがありまして、それはこれぐらいの速さで踊ります。もっと早いかも。160とか?足ちぎれるで😱🦵🦵🩸

 

上の表はあくまで特定の曲ではなく、ジャンルごとに踊りやすそうな速さを目安であげてみただけです。
筆者の主観ではありますが、ダンス歴は今年で22年になりますので当たらずとも遠からずでしょう。

 

ポップダンスに関してですが、踊り方が色々ありまして、ファンクで踊るブガルー系は音のテンポを少なからず意識して踊りますが、
トークボックスを使った音楽で踊るようなアニメーションは、テンポよりもメロディー、リズム、ビートをより重視するイメージがします。

(専門用語ごめんなさい🙏無理せず分かる方だけ読んでね)

 

つまり、音もめっちゃ遅いのもあればめっちゃ速いのもあるのでよく分かりません。すみません(笑)
また今度、アニメーションを専門にしている先生方に聞いておきますね。🎤(聞いたらこの記事も書き換えます)

 

ある意味、音楽のテンポやリズムに合わせて体を揺らして、気持ちよくなる。これははっきり言ってとても人間的です。🕺🕺🕺
ロボット🤖は体を動かして気持ちよくなりませんから。(最近の技術ではこれさえ叶え出しそうで怖い)
アニメーションダンスは、目指すところが人形とかロボットとかを目指して取り組まれるダンススタイルです。“人間なのに、人間じゃなく見える?!”そこにサプライズがあるものですので、ある意味音の取り方、使い方が他のストリートダンスと異なるのは必然ともいえます。

 

最後になりましたが、【ビート】についても触れておきます。

この辺も曖昧ですよねー😅
ビートは音楽の中で基本となる一定間隔で繰り返されている音を指します。

「あれ?テンポもそうじゃない?」

ノンノンノン
何度も言いますが、テンポは音の速さです。それ以上でも以下でもありません

 

先程テンポを取るために手拍子をしました。

パチパチパチ
👏👏👏👏👏

この拍子こそが【ビート】です。

 

ビートは、トントントンだけといったように一定のシンプルな音が繰り返されることもありますし
トントントンツーツーツーのようなリズムパターンが、一曲でずっと繰り返されているなら、このトントントンツーツーツービートです。

 

ビートは鼓動と同じです。音楽の中で常にあるもので、例えばブレイクダンスはブレイクビーツと呼ばれるビートをもつ音楽でよく踊られますが、この

ツクツクツクツク♪♪

みたいなビートがブレイカーのテンションを上げるんです。❤️‍🔥
曲の表現として、たまにこのツクツクツクツクが無くなる箇所があったりします。まさにビートが途切れた瞬間。これを無視するダンサーは、ビートが取れてないですね〜。 

 

 

まとめ

 

【テンポ】→曲の速さ
【リズム】→音楽に変化を加える音のアクセント
【ビート】→音楽の中で基準となるリズムのパターン

 

ダンスにおいてこの3つの言葉は、それぞれこのような違いで使用されることが多いです。

 

また、この記事は査読つきの論文という訳では無いですし、全て合っているかといえば…
ウーン( ; ˘-ω-)

 

ですが、音楽やダンスは前回のグルーヴの記事のように、それぞれの人にそれぞれの意見があるもので、そういった曖昧な物に良さを感じることに、アートとしての価値を見出しているものです。ということで、一ダンサーである筆者の認識は、この記事に書いた通りです。

 

そして、ダンスバトルなどで自由に踊るとき。

かかる音楽に対してこの3つ
「リズム」 「テンポ」 「ビート」

さらにこれだけでなく、メロディーリリック、もっと大きくいえばその曲の雰囲気など、しっかり考慮して踊れているのかというのが大切で、審査員はここを評価します。

 

お腹がすいたあなたはビュッフェで色んなものを手に取ります。🍽️ダンスバトル中はまさにその状態です。

昔母親に言われたでしょ、「ご飯はバランスよく食べなさい」と。

テンポは合ってるけどメロディーガン無視。
リズムを取りすぎた結果ビートをガン無視。
歌詞を取ったりビートを取ったり出来てるけどそもそも早取り(テンポを無視)。
こうなると評価に繋がらないと言うわけです。

 

目をつぶって適当に食材を手に取るのではダメです。つまみ食いもダメ🙂‍↔️

音楽の全てを聞いた上で、「私はここの音をこのように取る。」これがプロの踊り方です。

でもダンスバトルの勝ち負けはもちろんその時の空気もあるし、例えばバトルでドラえもんの「あんなことイイナッ出来たらいいなッ」みたいなのがかかった日には、もうビートがどうとかそんなことを言ってる場合じゃない気がします。🥹
あとそもそも、動きのクォリティを競うのがダンスバトルですし。

 

 

というわけで、ごちゃごちゃと好きに述べましたが、このコラムで少しでも新しい考え方を手に入れたあなたは、また違ったダンスの取り組み方が出来るかもしれません。ᕙ( ‘ω’ )ᕗ

 

 

 

じゃあね!


最後までご覧いただきありがとうございます💃

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※アイキャッチ画像引用

はいよろこんで

津軽海峡冬景色